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知っておくべきマメ知識

新卒の方向け完全マニュアル
知っておくべき
マメ知識

数多くの方の転職支援を行っていると、多くの方が「残業が多い」「休みが取れない」といった理由で転職先を探されております。人間関係、給与の悩みも多いのですが、最も多い転職理由の一つに挙げられるかもしれません。

また、単なる残業やお休みの不満だけでなく、よく聞くと労働に見合った給与を頂けていない方も見受けられます。

残業やお休みは、その病院や企業の状況や制度、長年の習慣や体質など、様々な要因が重なっている事が多く、一長一短には改善する事が難しいのも事実です。

ただ、働いた分はしっかりと残業代、休日労働として給与に反映してもらう必要があります。

これから社会人として長く働いていくと、その他にもいろんな法律や制度についての疑問が沸いてきます。

ここでは、今後、疑問に感じるであろうちょっとしたマメ知識についてお伝えします。

残業代について

そもそも残業とは何でしょう。一般的には1日8時間を超えたら残業と考えられてますが、例えば1日10時間労働の会社の場合、9時間勤務しても残業にはならないのでしょうか。

残業には「法内残業」と「法定時間外労働」の2種類があります。

法内残業

会社が就業規則などで定めた所定労働時間を超え、労働基準法で定められた労働時間(原則は1日8時間、1週間40時間)以内の範囲で行われた残業のことをいいます。

例えば1日7時間労働の会社で8時間勤務した場合が法内残業に該当します。この場合、1時間の残業時間は法内残業になる為、時間外の割増賃金の支払義務がありません。ただ、当然、働いた分は給与が発生する事となり、会社の就業規則や個別の雇用契約書などで決められた金額を支払う事となります。

法定時間外労働

法定労働時間(原則は1日8時間、1週間40時間)を超えた場合は、法定時間外労働となり、最低でも法律で決められた割増賃金率1.25倍の賃金を支払わなくてはなりません。

また、夜勤や休日出勤の場合も法定時間外労働として割増賃金を支払う必要があります。

深夜労働

22時~5時までの勤務は深夜労働となり、割増賃金率1.25倍の賃金を支払わなくてはなりません。

休日労働

そもそも休日とは何でしょう。休日とは労働の義務を追わない日の事を指します。土日休みの職場では土日が休日になりますし、4週8休制などのシフト制の場合は、シフト上で休日になっている日が休日になります。
さて、この休日に労働した場合、全てで休日労働として割増賃金が支払われるかとなると、実は少し違います。

休日には、「所定休日」と「法定休日」の二種類が存在します。働いている側からすれば、それぞれの休日に大きな違いはありませんが、所定休日か法定休日かによって、労働者が休日労働した場合に支払う割増賃金の計算方法が異なってきます。

所定休日

法定休日以外に労働者に対して与える任意の休日のことを所定休日といいます。この所定休日に働いても割増賃金を支払う義務がありません。ただし、労働した時間給は支払う義務が生じますので、就業規則や個別の労働契約で定めた時間給を支払う事となります。

法定休日

法律で定められている休日のことを法定休日といいます。少なくとも週1日もしくは4週に4日の休日を与えなければならないことが、労働基準法で定められています。土日休みの週休2日制を採用している企業であれば、日曜日を法定休日としているところが多いです。
病院などのシフト制を採用している場合には、就業規則で月の起算日を設定し、その日から4週間内に4日間の法定休日を設定します。

この法定休日に労働させると休日労働の割増賃金が適用され、通常の賃金の1.35倍を支払う必要があります。

休日休暇について

上記の「残業」の項目でも説明いたしましたが、休日には「法定休日」と「所定休日」の二つがあります。どちらで働くかによって割増賃金率が変わってきますので、ご自身の働いている病院や企業の法定休日はいつになるのか確認しておくと良いでしょう。

また、休日と休暇にも違いがあります。

休暇とは、労働者の申し出により労働が免除された日のことです。

休日のようにあらかじめ働く必要がないと決められた日ではなく、本当は働く必要があるけれど、申請などによって働かなくてよくなる日のことを指します。

なお、一般的によくあるのが夏季休暇と年末年始休暇になりますが、これが休暇になるのか休日になるのかは各施設によって異なります。

もともと休みとして会社カレンダーに記載されている場合には休日扱いになります。「8~9月の間に自由に3日取得して構わない」というようなケースは休暇に分類されます。

少しややこしいのですが、もともと休みだったのか、本来は働く日を休みにしたのかというポイントで判断すると良いでしょう。

休暇の例

年次有給休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業、裁判員休暇、慶弔休暇、永年勤続休暇、リフレッシュ休暇、バースデイ休暇など

退職金制度について

あくまでも任意の制度の為、退職金制度があるところと退職金制度がないところがあります。元々、退職金制度は従業員に長く勤めていただく為の福利厚生の一環として、会社が毎月積み立てた金額を退職時に一時金や年金として支給する制度です。これは高度成長期の終身雇用制度を前提とした制度の為、昨今の雇用が流動的になり転職が当たり前の時代には少しそぐわなくなってきました。設立したばかりの企業やクリニックなどの場合、退職金制度自体が無かったり、大きな総合病院でも、以前よりも退職金額が少なくなっていたり、退職金前払い制度に変更していたり、退職金制度の在り方自体が大きく変化してます。

退職金制度があるかないかぐらいはわかっていると思いますが、実際にこのまま定年まで働き続けた場合、退職金がいくらになるのか?まで把握されている方は少ないと思います。
就業規則や退職金規定は全員が閲覧出来るようになっているはずです。一度、シミュレーションしてみると良いでしょう。

退職金は定年退職時の月給に勤続年数に係数を掛けて計算されるのが一般的です。この係数というのが退職金を図るうえで非常に重要な要素です。定年まで勤めあげた場合の係数を100%とすると、そこから勤続年数ごとに、50%、30%、10%など割引率が小さくなります。

退職金制度は定年まで勤めあげる事を前提にして設計されてますので、途中で退職した場合、勤続年数が短くなり退職金額はかなり少なく抑えられます。

定年まで勤めあげた退職金と途中で退職した場合の退職金はかなり違うという事は認識しておくと良いでしょう。

新入社員の方には、定年まで長い長い道のりです。

定年までに様々なライフイベントがあったり、キャリアプランの変更など、止む無く転職を考える事もあるでしょう。

また、その間に退職金制度自体がなくなってしまったり、制度が変更になったりするかもしれません。

定年まで勤めあげてMAXの退職金額を受け取れる方はごく少人数に限られると思います。

将来何があるかわからない中で退職金をあてにせずに、自己責任で給与からコツコツ積み立てておく事がリスク回避につながるでしょう。

就職後